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展覧会企画

 

 

2023年

 

「跳躍するつくり手たち:人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー」展 

(英語タイトル「Visionaries: Making Another Perspective 」)

2023年3月8日〜6月4日 京都市京セラ美術館 東山キューブにて開催

展覧会監修(企画、キュレーション): 川上典李子

主催:京都市、京都新聞、日本経済新聞社

展覧会カタログの企画、編集、執筆も手がけました。カタログは2013年3月8日美術出版社より発行

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[展覧会カタログ 冒頭文章より一部抜粋]

 

「跳躍から生まれ出る複数のメッセージの重要性」

  川上典李子(展覧会監修者)

 

領域を横断する対話からの始まり 

 

活発な動きを見せるつくり手たちに既存の分野の枠から自由になったところで集ってもらうとき、そこにはどのようなメッセージが浮かび上がってくるのだろう。立場が異なるということは、興味深い対話の扉を開くきっかけともなる。 本展につながる会話の始まりは 5 年ほど前に遡る。

アーティストやデザイ ナー、エンジニア、科学者等、領域を横断する思索の機会を改めて設けられな いだろうかと、周囲の人々と改めて話す機会が増えていった。地球環境の今後に対する懸念を始め、自然と人間との関係性を私たちはどのように意識できる のかについての意見交換や、そのためにどのような姿勢を持つことができるのかなど、広範囲に及ぶ話題が併せて挙がったことも特色である。 

筆者はデザイン分野を中心とする今日の提案 に関するリサーチを行なっているが 、それらの過程で出会う人々との会話において化学者のパウル・クルッツェン氏 が 2000年の地球圏 ・ 生物圏国際共同研究 計 画(IGBP)で提唱した「アントロポセン(人新世)」の概念が挙がっていたことも注目すべき状況だった。

第22 回 ミラノ・トリエンナーレとして開催された「Broken Nature: Design Takes on Human Survival」(2019年)を例とするように、深刻化した状況を受けとめての展覧会も開催されている。こうしたなかで、人間の活動によって後戻りのできない状況が地球に起こっている現状に向き合う必要性とともに、ただ悲観するだけではなく自らの考えを深化し実践につなげていこうとするデザイ ナーのたくましい姿も、従来以上に感じられるようになったのである。 

もっとも、2018 年 - 2019 年のこの段階では、猛威を奮うウイルスによる未曾有のパンデミックがその直後に起こり、日々の営み自体が急停止する状況を私たちが経験することになろうとは当然のことながら想像することなどできていない。グローバル化した人間の活動が地球規模のパンデミックを引き起こした事実や、人間の活動のみならずウイルスによって引き起こされる地球規模の変 化のリアルさにも衝撃を受けながら、自然とはなにか、人間の活動とはなにかを探ろうとする彼らとの会話はさらに続いていった。 

 

跳躍からもたらされる新たな視点 

 

揺れ動く、先を見通すことが難しい時代を迎え、自然環境や地球と人間との関係もこれまで以上に探求されるなか、日本において古来大切にされてきた自然との共生のあり方に対する世界からの関心も高まっている。地震をはじめ 自然の脅威に幾度も直面しながらも回復、再生してきた日本の発展にも改めて目が向けられている。 本展では、こうした日本に生まれ育ち、新たな思考を促す思索や実践を継続 している 50 代 から20代の作家たちに目を向け、「跳躍するつくり手たち」として紹介する。 

跳躍とは地面を蹴って元気よく跳び上がる動作だが 、自らの身体を駆使し、重ねた思考を助走に代えて、跳ぶように時代の先を見つめるアーティストやデ ザイナーのエネルギーそのものに触れてみたいとの願いもあった。より高く跳ぶ試みがあれば、可能な限り前方に跳ぼうとすることなど跳躍のかたちはさまざまあるものの、新たな視野を得られるという点は共通するところだ。跳躍するつくり手たちがいま目にするものや考えていることを知るために、本展で紹介する作品の大半をこのための最新作品とした。 

一 例ではあるが、「人と自然が共に生きてきた姿の記憶 」を木に見出し「作品は木との共同作業」と述べる中川周士や、乾漆の技法を活かし「漆の表情が最も活きるかたちを見つけたい」と語る石塚源太、「素材の偶然性を活かし、素材の潜在的な魅力を引き出す」と述べる津守秀憲など、手にする素材との関係を全身で探り続ける姿がある(Section 1、pp. 22–57)。

素材の声を聞いたうえで技術を活かしていく活動は伝統産業の担い手たちにも共通し…(文章続く) 

Text: Noriko Kawakami, 2023 

 

 

[展覧会カタログ 寄稿章より一部抜粋]

 

「時間をひらく/ 動きをえがく」

   福岡伸一氏(生物学者、青山学院大学教授) 

 

……(略) 機械は前後の延長を欠いた、ただの一点としての時間しか捉えられないが、人間の知性は違う。芸術の感性も違う。現在を点ではなく、未来と過去を同時に含んだ空間として考えることができる。その厚みのなかに、跳躍や運動がある。あるいは希望や悔恨がある。つまりそれこそが人間の心の動きというものだ。

……(略)今回、ここに出展された作品はいずれも生命を含んでいる。生きているように見える。それはここに動的な時間が含まれているからだ。

それぞれのアーティストが、いかにしてそこに到達することに成功したか、それぞれの方法論をじっくりと味わってみたい。   

Text: Shin-Ichi Fukuoka, 2023 

 

 

 

「21世紀日本の工芸、アート、デザイン:ヴィジョナリーたちの実践」

  ベアトリス・ケット氏(パリ装飾美術館 アジア・非西洋地域コレクション担当学芸員)

 

……(略) 川上典李子の提案による本展での作家の選出は、日本の職人やアーティスト、デザイナーが10年ほど前から、きわめて多様な状況や可能性を追求してきていることを示している。今や現代の創作活動をめぐる経済状況は、持続可能な状況を探るための試み、さらには、これまでなかったような状況から生まれたグローバル経済という文脈に結びついているのが感じられる。そこから、コラボレーションを通じて世界とつながり、世界に向けて開かれていく可能性が生まれる。…(略)

Text: Beatrice Quette, 2023  

 

紹介作家(20組、計29名):

石塚源太(美術家)

井上隆夫(アーティスト)

岩崎貴宏(アーティスト)、

A-POC ABLE ISSEY MIYAKE(宮前義之が率いるエンジニアリングチーム)

GO ON(細尾真孝、八木隆余裕、中川周士、松林豊斎、辻 徹、小菅達之)

佐野文彦(建築家・美術家)、

髙橋賢悟(美術家)、

TAKT PROJECT(吉泉 聡を代表とするデザインスタジオ)
田上真也(陶芸作家)

田村奈穂(デザイナー)
津守秀憲(ガラス造形作家)
中川周士(木⼯職人)
西中千人(ガラス造形作家)
長谷川寛示(彫刻家)
長谷川 絢(美術家)
林 響太朗(映像監督/写真家)
細尾真孝(クリエイティブ・ディレクター)+ 平川紀道(ア ーティスト)+ 巴山竜来(数学者)
目[](荒神明香、南川憲二、増井宏文を中心に構成される現代アートチーム)
八木隆裕(開化堂ディレクター)+ 石橋 素・柳澤知明(ライゾマティクス)+ 三田真一(クリエイティブ・ディレクター)
横山隆平(写真家)

 

 

2022年

 

「デザインスコープ ー のぞく ふしぎ きづく ふしぎ」

富山県美術館

共同ディレクション

2022年12月10日〜2023年3月5日

紹介作家:

岡崎智弘、狩野佑真、志村信裕、鈴木康広、SPREAD、林 勇気、三澤 遥

美術館 HP

 

 

2021年

 

「鈴木マサルのデザインとみんなの富山もよう — 暮らしにとけこむアート&デザイン」

2021年 5月17日- 6月22日、富山県美術館 1階 TADギャラリー

主催:富山県美術館

富山もようプロジェクト / 富山もよう展ディレクターズ(小柴尊昭、鈴木マサル、高橋 理、川上典李子)、北日本新聞社

 

 

2018年

 

「Japon-Japonismes. Objets inspirés, 1867-2018

  (ジャポニスムの150年展

2018年11月15日〜2019年3月3日  装飾美術館(パリ)

総合監修:オリヴィエ・ガベ 装飾美術館館長

キュレーション:ベアトリスケット氏(装飾美術館)、川上典李子、諸山正則氏

会場構成:藤本壮介氏

アドバイザー:コシノジュンコ氏

主催:国際交流基金、装飾美術館

「ジャポニスム2018」公式プログラム。

約150年に及ぶ同館の日本に関する収蔵作品約1万点からの厳選に、日本から新たに作品を追加し、構成。

同館3フロアを初めて用い、現代のデザイン、ファッションまで網羅。

ゲストキュレーターとして、現代の若手工芸作家、工芸〜デザインプロジェクト選出を主に担当。

11月16日、同館主催 公式レクチャーに登壇。

紹介作家名: 国際交流基金HP

紹介記事  :   Le Monde

                       T JAPAN

 

    

2017年

 

「ホスピタルとデザイン展」企画・実行委員会  

2017年719日~7月25日   AXIS 「シンポジア」

2017年722日~7月23日   シンポジウム、会場:AXIS ギャラリー

 実行委員会:赤羽美和氏、葛西 薫氏、川上典李子、常木宏之氏、湯川年希氏

 東京都芸術文化創造発信助成プログラム

    

 

2016年

 

「London Design Biennale 2016」日本公式展示 

鈴木康広 「A Journey Around the Neighbourhood Globe」

2016年9月7日 – 9月27日、Somerset House, London

公式トークプログラム 鈴木氏と登壇 2016年9月10日

キュレトリアル・アドバイザー

アドバイザリー・コミッティー(柏木 博氏、川上元美氏、藤本幸三氏、川上典李子)

London Design Biennale 2016 

詳細         :  国際交流基金

紹介記事: 産経新聞  2016年12月8日記事 

                  Casa Brutus  2016年9月22日記事

 

 

2014年

 

「活動のデザイン展」

10月24日 – 2014年2月1日、21_21 DESIGN SIGHT

展覧会ディレクション:横山いく子氏、川上典李子

グラフィックデザイン:田中義久

会場デザイン:五十嵐瑠衣

照明デザイン:海藤春樹

制作協力:坂根悠太

紹介作家(26組):マイク・エーブルソン、アルマ望遠鏡プロジェクト / 国立天文台 + PARTY + Qosmo + エピファニーワークス、

アルヴァロ・カタラン・デ・オコン、ダグラス・クープランド、DNA シャロワー / ヴァンスファッペン、クリスティン・メンデルツマ、

フィックスパーツ:アオモ、アトリエホコ、クビーナ、サラン・イェン・パ二ヤ、長坂 常、菱川勢一、

FRONAT、シアザマプロジェクト、Editions in Craft、マスード・ハッサー二、ホンマタカシ、Humans Scince 1982、

大西麻貴 + 百田有希望/ o + h、織咲 誠、フローリー・サルノット、Studio Swine、Super Flax、Takram、

牛込陽介、ジョゼフィン・ヴァリエ  

 

 

新「現代日本のデザイン100選 / Japanese Design 100」展 

2014年 – 2023年

カリフォルニア大学ロサンゼルス校 建築&近代デザイン学科 パーロフホールでの展後、23か国にて巡回展

キュレーション:柏木 博氏、深川雅文氏、萩原 修氏、川上典李子

展示デザイン:トラフ建築設計

主催:国際交流基金  詳細 

 

 

2008年

 

「WA:現代日本のデザインと調和の精神」展   

キュレーション:柏木 博氏、深川雅文氏、萩原 修氏、川上典李子

パリ日本文化会館 2008年10月22日 – 2009年1月31日

ハンガリー :ブダペスト応用美術館 2009年4月9日 – 5月31日

ドイツ :レッド・ドット・デザインミュージアム    2009年8月20日 – 9月20日

ポーランド:産業デザイン研究所デザインセンター 2010年1月14日 – 3月28日

フランス :サンテティエンヌ国際ビエンナーレ 2010年11月20日 – 12月5日

韓国:コリア・ファンデーション 文化センター   2011年 2月12日 – 3月19日

主催:国際交流基金 パリ展レポート

 

上記展覧会の日本での紹介:「WA:現代日本のデザインと調和の精神  

世界が見た日本のプロダクトー Paris Budapest, Essen, Warsaw, Saint-Etienne, Seoul and Tokyo」

武蔵野美術大学 美術館・図書館  2011年6月24日 – 7月30日

 

 

2006年

 

TSUTOMU KUROKAWA」

2006年8月4日〜8月11日 、 TOTOギャラリー・間

TSUTOMU KUROKAWA 黒川勉のデザイン』刊行記念展覧会

主催:ギャラリー間、「TSUTOMU KUROKAWA」実行委員会

(秋田 寛氏、安東孝一氏、片山正通氏、川上典李子、

  黒川知美氏、鈴木里子氏、高山幸三氏、村山和裕氏)

 

 

2005

 

Carrying ー マイク・エーブルソンのデザインリサーチ

Mike Abelson, Carrying Research  

ゲストキュレーター

2005年9月30日〜11月3日、 MDS Gallery

主催:三宅一生デザイン文化財団